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ネットの危険 親子で対策<2010年7月20日毎日新聞掲載内容>
尾花 紀子
1961年8月16日生まれ
・講演・執筆・IT教育・人材育成・研修開発・SNS相談
・Web活用&体制づくり・マーケティング・プロモーション etc...
毎日新聞ー 2010年7月20日〔くらしナビ面〕
●ネットの危険 親子で対策 ●
日本の保護者はインターネット上の子どもを世界で最もほったらかしにしている──。
こんな調査結果がある。 日本 「世界で最も放任」 ■ 相談できる環境 大切 セキュリティーソフト大手の米シマンテックが今年2月に親子調査をした。世界14カ国(豪、ブラジル、カナダ、中、仏、独、印、伊、日、ニュージーランド、スペイン、スウェーデン、英、米)の大人7,066人(うち1,669人は8~17歳の子どもの親)と、8~17歳の子ども2,805人にインターネットの使い方を聞いた。 そこで、親の姿勢の違いがくっきりと表れた。 「保護者は基本的には子どもにネット探索の自由を与え、何か不審なことが起きたり、リスクがある場合だけ、子どものオンライン活動を調べればよい」と考える保護者が、日本は51%と、14カ国中で最も多い。14カ国の平均は29%だった。 逆に、「保護者は子どものオンライン活動を完全に管理し、すべての活動に注意すべきだ」と考える保護者は、米・カナダが最多で、61%だった。 保護者によるネット上のトラブル防止策も日本は際立って少なく、項目の半数で14カ国中最低の実施率だった。 「家庭内のルール作り」は38%(平均66%) ▽ 「ネットの安全な使い方について話す」は35%(同71%)▽ 「どんなウェブサイトを見たのかチェックする」は16%(同47%) ▽ 「どんなソーシャルネットワークサイト(会員制のネット上のコミュニティー。日本ではミクシィなど。以下SNS)を見たのかチェックする」は3%(同34%) などだ。 * * では、親は何をしたらいいのか──。 シマンテックのインターネットセーフティー推進担当、マリアン・メリットさんは「米国でもネットいじめはあり、なりすましなどの手口は日本と同じ」と言う。 ネットトラブルを防ぐためには、子どもが親にすぐに相談できる環境づくりが大切だと強調する。「米国ではネットいじめで少女が2人自殺し、子どものネット利用に関心が高まった。 少女2人は親に言えなかった」 まずは、親子でオンラインゲームをするのがいいという。「批判をしないで、子どもの行動に興味を示し、親を仲間と思わせる」。 そのうえで、パソコン使用のルールを決めることをすすめる。たとえば、メリットさんの家庭では子どもの年齢に応じて対応を変えている。 「8歳の次女には、見ていいサイトや知らない子とは話をしないなど約束事を決めている。14歳の長男には時間制限を重視している。毎年親子で話し合って内容を変え、16歳の長女にはそうした制限を解いている」 ネット上は現実社会と同じで、悪意を持った人もいる。だから、子どもにネット上を自分たち専用の場だと思い込ませないことがポイントだという。 「子どもがSNSを始める前に親が会員になり、時々サイトに顔を出して見守るといい」 フィルタリング有効 家庭でのルール作りが何より大切だが、パソコンを有害サイトにアクセスさせないフィルタリングソフトも有効だ。 プロバイダー(インターネット接続業者)もフィルタリングサービスを提供し、 OCNのキッズケア、 ニフティのWebフィルタ月額版などがある。(いずれも有料) シマンテックは無料ソフト「ノートンオンラインファミリー」を公開した。これまでのフィルタリングソフトと違い、子どもが親とメールでやりとりしてその都度対応を変えられる。 成長に合わせた対応を インターネットとパソコンをめぐる日本の家庭の現状を、ネット教育アナリストの尾花紀子さんは「意識の高い親御さんも増えているが、多数派ではない」と指摘する。 やはり、子どもの成長に応じた対策が効果的で (1)小学1~4年 (2)小学5年~中学2年 (3)中学3年~高校3年 ──の4年単位で考えるといいという。 (1)の時期は親子で一緒にネットで調べ物をして楽しみ、話しやすい関係を作る。 (2)は反発しがちな思春期なので、むやみにしからず、話す機会を多く取ることに主眼を置く。ケータイもパソコンも、買い与える前に使用時間を決めて貸し出すようにし、返却時にどう使ったのか聞く機会を持つ。 (3)は自我の確立期なので、大人と同じように扱い、必要以上に踏み込まない。ネット関連のニュースについて話し合ったり、子どもが意見を求めてくるようにし向ける。 ただ、「対応の仕方は家庭で異なり、マニュアル式ではうまくいかない」として、アドバイスする。「技術的に分からないことがあれば、子どもに教えてもらいながら、手探りでやっていけばいい」 |
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